【アメリカとカナダ】隣り合う国同士の綴りの違う単語8選!
北アメリカ大陸に位置し、広大な国境を接しているアメリカとカナダ。文化や生活様式において多くの共通点を持つ両国ですが、話されている「英語」には、実は興味深い違いがたくさん存在します。
日本人にとって「北米の英語」といえば、アメリカ英語を真っ先に思い浮かべがちです。しかし、カナダは歴史的にイギリス連邦(Commonwealth)の一員であるため、イギリス英語の伝統とアメリカ英語の影響が絶妙に混ざり合った、独自の「カナダ英語(Canadian English)」を発達させてきました。
今回は、アメリカとカナダで異なる語彙や表現の世界について、身近な単語を中心に詳しくご紹介します!
始める前に:カナダ英語に見られるスペリングのルール

単語そのものの違いに入る前に、知っておきたい重要な背景があります。
冒頭の「色」を表す単語のように、アメリカでは color と書くのに対し、カナダではイギリス英語に由来する colour のように「-our」の綴りが使われます。
このような「oとrの間にuが入る(または語尾が-ourになる)」単語は、カナダ英語において日常的に数多く存在します。
- favourite(カナダ) / favorite(アメリカ):お気に入り
- neighbour(カナダ) / neighbor(アメリカ):隣人
- honour(カナダ) / honor(アメリカ):名誉・光栄
- behaviour(カナダ) / behavior(アメリカ):行動
他にも、中心地を表す centre(米:center)や、建物の階数を表す theatre(米:theater)のように「-re」で終わる単語や、小切手を指す cheque(米:check)など、カナダのスペリングにはイギリス英語の面影が色濃く残っているのです。こうした表記の違いを踏まえた上で、次は「単語そのものが全く異なるケース」を見ていきましょう
アメリカとカナダで呼び名が異なる身近な英単語
1. トイレ ➔ Bathroom / Restroom(米) / Washroom(カナダ)

お店や公共施設で「お手洗いはどこですか?」と尋ねるとき、最も使われる単語が異なります。
- アメリカ: 家庭内では bathroom、レストランや駅などの公共の場では restroom と言い分けるのが一般的です。
- カナダ: 公共の場所でも家庭でも、一貫して washroom という表現が圧倒的に好まれます。カナダで “Where is the washroom?” と聞けば、非常に自然に聞こえます。
2. ニット帽 ➔ Beanie(米) / Toque(カナダ)
冬の寒さが厳しい北米で欠かせない防寒具である「ニット帽」。
- アメリカ: Beanie(ビーニー)と呼びます。
- カナダ: Toque(トゥーク)と呼びます。もともとフランス語(トック帽)に由来する言葉で、カナダ人の冬の必需品として広く定着している象徴的なカナダ単語です。
3. 色鉛筆 ➔ Colored pencils(米) / Pencil crayons(カナダ)
子供のお絵描きや学校の授業で使う「色鉛筆」も呼び名が分かれます。
- アメリカ: Colored pencils とそのまま表現します。
- カナダ: Pencil crayons と呼びます。「鉛筆(Pencil)なのかクレヨン(Crayon)なのかどっち?」と思ってしまいそうですが、カナダではこれが標準的な表現です。
4. 電気代・電力 ➔ Electricity(米) / Hydro(カナダ)

毎月の光熱費や電力会社を指す言葉です。
- アメリカ: Electricity や Electric bill(電気代)と呼びます。
- カナダ: Hydro(ハイドロ)と呼びます。カナダでは水力発電(Hydroelectric power)による電力供給が主流だった歴史があるため、電気代のことを Hydro bill、電力会社を BC Hydro や Hydro One などと呼ぶのが一般的です。「Hydro=水」と勘違いして水道代と混同しないよう注意が必要です。
5. ソファー・長椅子 ➔ Couch / Sofa(米) / Chesterfield(カナダ)
- アメリカ: Couch や Sofa が使われます。
- カナダ: 年配の方を中心に Chesterfield(チェスターフィールド)という独特の単語が使われることがあります。若い世代では couch も増えていますが、カナダ英語の伝統的な名残として今でもよく知られている単語です。
6. 立体駐車場 ➔ Parking garage(米) / Parkade(カナダ)
ショッピングモールや駅前にある多層構造の駐車場です。
- アメリカ: Parking garage や Parking lot と表現します。
- カナダ: Parkade(パーケード)という独自の合成語(Park + Arcade)がよく使われます。カナダの街中や商業施設の看板で頻繁に見かける単語です。
7. 炭酸飲料 ➔ Soda(米) / Pop(カナダ)

コーラやサイダーなどの炭酸ジュースの呼び名です。
- アメリカ: 地域にもよりますが、一般的には Soda(ソーダ)が主流です。
- カナダ: ほぼ全国的に Pop(ポップ)と呼ばれます。カナダのレストランやスーパーでは “Do you want a pop?” と聞かれることがよくあります。
8. 学術的な優等生・ガリ勉 ➔ Brown-noser / Suck-up(米) / Keener(カナダ)
学校や職場で、非常に熱心に勉強したり先生・上司にアピールしたりする人のことです。
- アメリカ: Brown-noser や Suck-up などが使われます。
- カナダ: Keener(キーナー)という単語が使われます。必ずしもネガティブな意味だけでなく、「すごく意欲的で張り切っている人」というニュアンスでも使われます。
アメリカとカナダの単語比較一覧表
今回ご紹介した単語と表記の違いを一覧表にまとめました。
| 日本語のイメージ | アメリカ英語(US) | カナダ英語(Canada) |
|---|---|---|
| トイレ・お手洗い | Restroom / Bathroom | Washroom |
| ニット帽 | Beanie | Toque |
| 色鉛筆 | Colored pencils | Pencil crayons |
| 電気代・電力 | Electricity | Hydro |
| ソファー・大型椅子 | Couch / Sofa | Chesterfield(伝統的) |
| 立体駐車場 | Parking garage | Parkade |
| 炭酸飲料(ジュース) | Soda | Pop |
| 張り切り屋・優等生 | Suck-up / Brown-noser | Keener |
| 色(スペリング) | Color | Colour(-ourの形) |
おわりに:国ごとの言葉の違いを楽しむ
アメリカとカナダは隣国同士であり、映画や音楽などのポップカルチャーを共有しているため、お互いの言葉の意味はほぼ100%通じます。カナダ人がアメリカで washroom と言っても当然通じますし、アメリカ人がカナダで beanie と言っても問題なく理解してもらえます。
しかし、現地の人が日常的に使う微妙な単語のチョイスや、看板に書かれたスペリング(colour や washroom)に注目してみると、「あ、ここはカナダなんだな」という独自の文化や歴史の深みを実感することができます。
旅行や留学、あるいは海外ドラマを鑑賞する際には、こうした北米内での「言葉のグラデーション」にもぜひ注目してみてくださいね!